対話ワークショップ 開催報告

NPO法人グリーフサポートてらすば事務局です。

8月23日、高松市男女共同参画センターにて
「身近な喪失に気づく 対話ワークショップ」を開催しました。

「喪失」「グリーフ」と聞くと、身近な人との死別を思い浮かべる方も多いかもしれません。

でも、対話の中で出てきたのは、死別だけではありませんでした。

思い描いていた未来
大切にしていた関係
仕事や役割
自分らしさ
「こうありたかった」という願い

普段は「これくらいのこと」と、自分でも気づかない場所にしまっているものもあるかもしれません。

大学生から社会人まで多様な参加者さん

今回のワークショップでは、何か答えを出すことではなく、
それぞれが感じていることを言葉にしたり、誰かの言葉をただ聴いたりしながら、
「喪失ってなんだろう」「グリーフってなんだろう」と一緒に考えました。

参加された皆さんからいただいた言葉には、この時間に生まれていたものが、とてもよく表れているように感じたので紹介させてください。

▼参加者さんの感想
※掲載許可をいただいたものです

●色々な人の喪失を知り、感じていることを聞けたことがとても学びになりました。
●自分の気持ちを今まで否定したり、無視したりした時がたくさんあるけど、今回みなさんが自分の感情を否定しなくていいと言ってくださったので、これからは少しずつ、自分の気持ちに素直になろうと思った。
●“喪失”という重くきこえるテーマですが、“身近な”という副題のおかげで、より解像度を上げて考えることができました。ムリに言わなきゃ!とも背負わなくていい、浮かんだことを置いて帰れる場所はとっても大事ですね。
●何が正解で何が間違いでもない、ただ語り、ただ聴く時間がとても心地良かった。
●失うことの話をしながら『これは生きづらさの話かも』という意見が出て、じゃあみんなが知ってると生きづらさが少し楽になるのかもと思ったけど、『グリーフは身近じゃなくて、心の奥底に沈めているもの』という意見もあって、やっぱり正解ってわからないなってなりました。でもこうして考える場があることが大切なんだなと思いました。
●何を言ってもいい、でも、だって、がない時間。安心して思ったことを言ってもいい時間。
●自分では小さいと思っていたグリーフも、話してみると、その影響が思っていたより大きかったことに気づいたり、他の方の言葉から響いて出てくるものがあったり……喪失の対象を限定しないからこそ生まれる共感やエネルギーを感じました。

高松市第1回こども家庭センター(母子保健)ネットワーク会議

NPO法人グリーフサポートてらすばの秋山美智子です。

高松市保健センターで開催された
「令和8年度 高松市第1回こども家庭センター(母子保健)ネットワーク会議」に、地域のNPOとして参加要請をいただき、出席してきました。


この会議は、妊娠期から子育て期まで切れ目のない支援を届けるため、医療・行政・地域の関係機関が連携し、協力体制を深めていくことを目的としたものです。

令和8年度は、とくに
「流産・死産等でお子さまを亡くされたご家族への支援」
がテーマとなっています。

高松市から母子保健事業などについて説明を受けた後、
「流産・死産等でお子さまを亡くされたご家族への支援について、情報・意見交換をしましょう」
をテーマにグループワークが行われました。

助産院、産婦人科などの医療機関、行政、子育て支援の現場など、さまざまな立場の方が一堂に会し、現場で感じていることを共有しました。

話題になったのは、
・必要な情報を、必要な方へどう届けるか
・情報を渡すタイミングの難しさ
・夫婦や家族の間にあるグリーフの表れ方の違い
・父親への支援や相談先の必要性
・流産や死産等を経験した方が、何度も同じ説明をしなくてもよい連携のあり方
・医療機関から地域の支援へどうつないでいくか
・支援する側もグリーフを抱えること、支援者自身のセルフケア
・対面の場だけでなく、SNSやアウトリーチも含めた多様な選択肢
・人前で話すことをためらう人へのサポートも含め、その人に合った支援をどうつくるか
などです。

また、高松市からは、支援給付の実績の中でも流産・死産等を経験したご家族と会う機会が一定数あることも共有されました。

流産や死産等は決して特別で稀な出来事ではありません。
一方で、その経験や必要とする支援は、一人ひとり、ご家族ごとに異なります。

だからこそ、一か所の支援だけですべてを担うのではなく、
医療、行政、助産院、地域の居場所、民間団体などが互いの役割を知り、
「この人は、ここにつなげられるかもしれない」
という選択肢を地域の中に増やしていくことが大切だと感じました。

そして、つなぐために必要なのは、
「時間」「情報」「人」「場」。

てらすばも、地域の中にある一つの選択肢として、
必要な方が必要なタイミングでつながることのできる場を、これからもつくっていきたいと思います。

次回の会議は来年開かれる予定です。
今回出た声が、地域の具体的な連携や仕組みにつながっていくよう、引き続き参加していきます。